私たちは工作機械、スクリュ式押出機、ディーゼルエンジンの3つ事業をおこなっていますが、全てに共通していることは単純に図面があれば作れるものではなく、過去から蓄積してきた技術、技能、経験がなければお客様が求めるものを作ることができない点にあります。工作機械ではお客様から今までにない形状や素材、効率を飛躍的に向上させる加工方法、自動化を実現するシステムなど、新たな要望を実現するための機械づくりをしています。新しいと言っても完全にゼロから作っていてはコストも納期も膨大にかかり、実現が困難となりますが、池貝には70年以上前の図面も残っており、それを継承している技術者が残っています。

スクリュ式押出機では、新たな素材の組合せを混ぜ合わせて新たな素材を生み出していきます。この混ぜ合わせることを混練と言いますが、シリンダーの中のスクリュで混練されている状態は目で見ることができません。当然、様々なシミュレーションは行いますが、実際には混練時にどのような物性の変化が起きているかを正確に知ることはできません。シリンダーの先から出てきた結果を見ながら、起きている状態を予測しながら無限の組合せがあるスクリュ形状や条件を変えて答えを導出していきます。

この強みを維持し、進化させつづけるために池貝では終身雇用を前提とした事業運営と人材育成をしています。短期視点ではなく、中長期視点での人材育成です。そのために重要な点は失敗を許容する、ということです。池貝の130年以上の歴史の中で多くの失敗を積み重ね、それにより新たな製品を生み出してきました。失敗がなければ成功はありません。池貝には失敗をしてもそれを乗り越えることが出来る優秀な人材が多くいます。若いメンバーの失敗をカバーできる優秀な先輩社員が多くいます。

お客様には高品質な製品をお届けしながらも社内では失敗を許容して人材を育成する。その循環があるからこそ130年以上にわたってものづくりを続けてくることが出来ています。この精神こそが私たちの社是である『誠実と進取』に他なりません。私たちと一緒に『誠実と進取』なものづくりをする仲間と会えることを楽しみにしています。